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個人的新語造語 そのさん
2016年1月25日自分がゲームをプレイしたりデッキを作ったりしているときに考えていることを言語化してみよう、というテスト
○隘路/Limited Options for Opponent(s)
行動の選択肢が限定的なこと。
MTGのゲーム性の一側面を個人的に表すならこの言葉が格好いいと考えている。
マジックはデッキ構築の段階からプレイヤーに無数の選択を突きつけるゲームで、各プレイヤーの選択の一つ一つが盤面・局面に反映される。そんなゲームの中で「楽に勝つ」方法の一つとして対戦相手が自ずから不利な選択を取ることが挙げられる。もっと突っ込んでいうなら、対戦相手が不利な選択を取らざるを得ない、あるいはそもそも取れる選択肢がないとき、あなたは簡単に勝利に近づける。
対戦相手を隘路に誘う、つまり対戦相手の選択肢を狭めることはこのゲームをで勝つための一つの戦略だといえる。逆にいえば、あなたが選択しうる行動が少なければ少ないほど、あなたは負けに近づいている。
もっともわかりやすい隘路としてマリガントラブルや土地の問題、そしてプレイイングミスのような偶発的な事故がある。それらに陥ると両プレイヤーが取りうる選択肢の幅に差が生まれ、そのままゲームが決着してしまうことが多い(*1)。
そうでない場合、対戦相手を追い込むべき隘路は選択するデッキによって設定されることが多い。
コンボやアグロのようにスピードの速いデッキは対戦相手が選択しうる行動が限定的な序盤に大勢を決することを根幹的な思想にしている。速いターン中の選択肢において自他の間に相対的な有利を生み出すことがこれらのデッキの強みだ。
一方コントロール側が目指すものは対戦相手よりも多くの選択肢を揃え、相手が繰り出すどんな攻撃手段に対しても回答を持っている状況だ。
典型的なアグロ対コントロールの衝突(※2)以外にも隘路を見出すことは難しくない。現在のスタンダードではあまり見られないロックがそれだ(※3)。マナ拘束を主眼としたものであれば《ハルマゲドン》や《停滞》、キャストのレベルで見るならば《ズアーの運命支配》や《三なる宝珠》・《相殺》など、ソフト/ハードの違いはあるが様々なカードが対戦相手の選択肢を奪ってきた。
特定のアーキタイプに対するロック手段を考えるならば、ビートダウンに対する《Moat》 や《謙虚》なんかもこの例に加えられるだろう。
ある特定のシチュエーションで突発的に(※4)発生する隘路も存在する。これに関してはあまりに多くの状況が想定されるので、個人的に印象的なものをいくつか例示するだけにする。
・現行スタンダードにおける《見えざるものの熟達》の役割
・ラリーに対する《先頭に立つもの、アナフェンザ》
・(特に青いデッキが)コンボに対して繰り出す《エーテル宣誓会の法学者》
・レガシーの奇跡コントロールの《天使への願い》(※5)
これらの共通点を探すならば、デッキの元々の特性に捉われない行動でだまとめるのが妥当かもしれない(※6)。
ここまで挙げたことからも分かるかも知れないが隘路とは自他の選択肢の多少の差によって生じる現象といえる。その意味でカードプールというデッキ構築時点での選択肢の存在も隘路に対して大きな影響力を持つ。
端的にいえば隘路を見出す方法はカードプールが広がれば広がるほど、その方法は多種多様にあり得る。
隘路についていえることがあるとすれば、これは考え方の一つであってマジックというゲームの確実な攻略手段ではないということだ(※7)。ゲームで勝つため戦略としてカードアドバンテージがある。カードアドバンテージそのものは隘路の考え方の中にもしばしば登場するが、そもそもは自分自身の選択肢を増やすための手段であり、対戦相手の選択肢を減らす隘路の考え方とは逆方向のものだ(※8)。
*1
この考え方に拘泥してはいけません。これに拘泥することはあなたに対して不幸です。
当たり前のことですが、対戦相手の取れる選択肢とあなたのそれが、あなたにとって不利なことはこのゲームにおいては「あまりにもよくあるシチュエーション」です。
※2
[Who’s the Beatdown](http://goo.gl/51HWK7)をご参照ください。
※3
このロック要素をよりアグレッシブに解釈するとカナディアンスレッショルドに到達することは論を待たないものです。
※4
そして多くの場合には計画的に。
※5
特にゴブリンとかジャンドとかアブザンとかに対して。
このことについては環境に対する程度の知識を要求します。
※6
分類の方法としてはあまりにも雑です。
厳密にいうのであれば、プレイヤー間の(デッキ間の)スピード感からは想定しにくい行動。
アグレッシブサイドボーディングとか、呪禁とか、論述すべきことは多すぎるほどあるものだとお考えください。
※7
非エターナルフォーマットにおいては「ロック」という思想がマジックというゲーム自体を否定する思想として取り扱われているように感じます。
個人的にはこの隘路という考え方は面白いものであり嗜好に合うものですが、ゲームそのものを考えるときには間違いなく「不健全」だといえるでしょう。これについて《すき込み》がスタンダードに存在していいカードかどうかという事を想起していただければいいと思います。
※8
マジックというゲームをαのカードプールから眺める際に、なぜ《Black Lotus》や《Ansciient Recall》を禁止にしなければいけなかったのか。デザイン側の思惑と実際のプレイ環境はしばしば食い違うものです。
○隘路/Limited Options for Opponent(s)
行動の選択肢が限定的なこと。
MTGのゲーム性の一側面を個人的に表すならこの言葉が格好いいと考えている。
マジックはデッキ構築の段階からプレイヤーに無数の選択を突きつけるゲームで、各プレイヤーの選択の一つ一つが盤面・局面に反映される。そんなゲームの中で「楽に勝つ」方法の一つとして対戦相手が自ずから不利な選択を取ることが挙げられる。もっと突っ込んでいうなら、対戦相手が不利な選択を取らざるを得ない、あるいはそもそも取れる選択肢がないとき、あなたは簡単に勝利に近づける。
対戦相手を隘路に誘う、つまり対戦相手の選択肢を狭めることはこのゲームをで勝つための一つの戦略だといえる。逆にいえば、あなたが選択しうる行動が少なければ少ないほど、あなたは負けに近づいている。
もっともわかりやすい隘路としてマリガントラブルや土地の問題、そしてプレイイングミスのような偶発的な事故がある。それらに陥ると両プレイヤーが取りうる選択肢の幅に差が生まれ、そのままゲームが決着してしまうことが多い(*1)。
そうでない場合、対戦相手を追い込むべき隘路は選択するデッキによって設定されることが多い。
コンボやアグロのようにスピードの速いデッキは対戦相手が選択しうる行動が限定的な序盤に大勢を決することを根幹的な思想にしている。速いターン中の選択肢において自他の間に相対的な有利を生み出すことがこれらのデッキの強みだ。
一方コントロール側が目指すものは対戦相手よりも多くの選択肢を揃え、相手が繰り出すどんな攻撃手段に対しても回答を持っている状況だ。
典型的なアグロ対コントロールの衝突(※2)以外にも隘路を見出すことは難しくない。現在のスタンダードではあまり見られないロックがそれだ(※3)。マナ拘束を主眼としたものであれば《ハルマゲドン》や《停滞》、キャストのレベルで見るならば《ズアーの運命支配》や《三なる宝珠》・《相殺》など、ソフト/ハードの違いはあるが様々なカードが対戦相手の選択肢を奪ってきた。
特定のアーキタイプに対するロック手段を考えるならば、ビートダウンに対する《Moat》 や《謙虚》なんかもこの例に加えられるだろう。
ある特定のシチュエーションで突発的に(※4)発生する隘路も存在する。これに関してはあまりに多くの状況が想定されるので、個人的に印象的なものをいくつか例示するだけにする。
・現行スタンダードにおける《見えざるものの熟達》の役割
・ラリーに対する《先頭に立つもの、アナフェンザ》
・(特に青いデッキが)コンボに対して繰り出す《エーテル宣誓会の法学者》
・レガシーの奇跡コントロールの《天使への願い》(※5)
これらの共通点を探すならば、デッキの元々の特性に捉われない行動でだまとめるのが妥当かもしれない(※6)。
ここまで挙げたことからも分かるかも知れないが隘路とは自他の選択肢の多少の差によって生じる現象といえる。その意味でカードプールというデッキ構築時点での選択肢の存在も隘路に対して大きな影響力を持つ。
端的にいえば隘路を見出す方法はカードプールが広がれば広がるほど、その方法は多種多様にあり得る。
隘路についていえることがあるとすれば、これは考え方の一つであってマジックというゲームの確実な攻略手段ではないということだ(※7)。ゲームで勝つため戦略としてカードアドバンテージがある。カードアドバンテージそのものは隘路の考え方の中にもしばしば登場するが、そもそもは自分自身の選択肢を増やすための手段であり、対戦相手の選択肢を減らす隘路の考え方とは逆方向のものだ(※8)。
*1
この考え方に拘泥してはいけません。これに拘泥することはあなたに対して不幸です。
当たり前のことですが、対戦相手の取れる選択肢とあなたのそれが、あなたにとって不利なことはこのゲームにおいては「あまりにもよくあるシチュエーション」です。
※2
[Who’s the Beatdown](http://goo.gl/51HWK7)をご参照ください。
※3
このロック要素をよりアグレッシブに解釈するとカナディアンスレッショルドに到達することは論を待たないものです。
※4
そして多くの場合には計画的に。
※5
特にゴブリンとかジャンドとかアブザンとかに対して。
このことについては環境に対する程度の知識を要求します。
※6
分類の方法としてはあまりにも雑です。
厳密にいうのであれば、プレイヤー間の(デッキ間の)スピード感からは想定しにくい行動。
アグレッシブサイドボーディングとか、呪禁とか、論述すべきことは多すぎるほどあるものだとお考えください。
※7
非エターナルフォーマットにおいては「ロック」という思想がマジックというゲーム自体を否定する思想として取り扱われているように感じます。
個人的にはこの隘路という考え方は面白いものであり嗜好に合うものですが、ゲームそのものを考えるときには間違いなく「不健全」だといえるでしょう。これについて《すき込み》がスタンダードに存在していいカードかどうかという事を想起していただければいいと思います。
※8
マジックというゲームをαのカードプールから眺める際に、なぜ《Black Lotus》や《Ansciient Recall》を禁止にしなければいけなかったのか。デザイン側の思惑と実際のプレイ環境はしばしば食い違うものです。
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