自分がゲームをプレイしたりデッキを作ったりしているときに考えていることを言語化してみよう、というテスト

〇冗長性/Redunduncy
カード、あるいはデッキの中の勝利には直接貢献しない機能や部分。

よく言えばゲームに対して持てる役割の多様性であり、悪く言えば無駄である。
言葉の懐が広く、よく安定性とか汎用性などの言葉と同じように使われ、状況によってはほとんど同じ意味をあらわす。冗長性と安定性が全く異なる言葉として使われる一つの例としてバーンデッキの評価を挙げることができる。バーンに採用されるカードのほぼすべては対戦相手のライフを削ることを目的として採用されており、デッキの特徴として安定性はあるが冗長性はかなり低い。

冗長性はデッキに設定された目標(=勝利)を達成するための迂回路であり、目標達成のためのゲームプランとそのプランのために必要なデッキのスペースによってその幅が設定される。一般的に早期にゲームの決着を目指すビートダウンやコンボは冗長性が低く、カードアドバンテージの獲得から少数のフィニッシャーでゲームを決めるコントロールは冗長性が高い※1。

冗長性を高める手段としていくつかの方法が想定できる。
・カード1枚のアクセシビリティを高める※2
・カード1枚の影響範囲を広める※3
・カード1枚の役割を多機能化する
どの方法においても1枚のカードが実質的に複数のモードを持つように振舞っている※4。

さらに、デッキ構築の段階で冗長性を高める工夫として以下の方法が想定される。
・冗長性の高いカードを中心にデッキを構成する
・一つの役割を複数のカードに分散する※5
・勝利手段を複数用意する

注意しておきたいのは、冗長性を高めることが必ずしもデッキにとって最良の構築思想ではないことだ。冗長性はデッキのゲームプランにおいては間違いなく無駄であり、採用される場合は一種の必要悪として想定されている。幸いにして※6、「ゲームに勝利する」とプリントされたカードは極少数であるという事実が冗長性を肯定する。




※1
この原則を大幅に破る機能としてサーチが存在する。高効率のサーチはスピードと冗長性の両立に重要な役割を示し、時に禁止カードに指定されてきた。この手のカードの代表格として≪適者生存/Survival of the Fittest≫や≪神秘の教示者/Miystical Tutor≫が挙げられる。これらのカードを使った代表的なデッキは環境に覇を唱えていくばくも経たないうちに、瓦解するかプランの大幅な見直しを要求されている。詳しくはMtgWikiなどをご覧いただければ幸いです。

※2
前回の記事をご参照ください(m_m)

※3
≪究極の価格/Ultimate Price≫と≪神の怒り/Wrath of God≫の比較を明確な一つの例として挙げることができる。≪究極の価格≫では除去できない、
・多色、あるいは無色のクリーチャー
・プロテクションを持つクリーチャー
・再生を持つクリーチャー
・呪禁を持つクリーチャー
に対して≪神の怒り≫は有効である。

※4
隠された1つのインジケータとして役割を遂行する際の確実性を補足したい。
これは対戦相手の妨害という現実的な障害に対する指標である。この点において≪罰する火/Punishing Fire≫は≪ショック/Shock≫を、≪突然の衰微/Abrupt Decay≫は≪燻し/Smother≫もしくは≪名誉回復/Vindicate≫を上回る。

※5
1枚挿しのカードは多くの場合、あるカードのX枚目である。

※6
あるいは不幸にして。

コメント

和歌ロック
2015年7月9日23:06

これは良記事。
冗長性が全くなくてもダメだし、高過ぎるのも困るということかな。マジック以外にもあてはまりそうな話ですね。

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