レガシーの環境定義 そのに:1マナ以下の呪文 前
2014年9月25日コメント (1)ボクシングではジャブを制するものが(略
□フォーマット毎のテンポ
レガシー環境では一部の禁止カードを除く全てのマジックのカードが使えます。その数1万種以上。でも実際に使われているカードはごく一部です。数え上げたことはないけど、主要なものを集めても300枚もないんじゃないかと思います。これは多くのプレイヤーによってカードの役割が整理され、取捨選択の研究が続けられたことによる賜物です。その比較の際に重要な基準となるものの1つにマナコストがあります。《野生のナカティル》がいるのに《訓練されたアーモドン》を使ったり、《稲妻》があるのに《稲妻の一撃》を使ったりするのは余程の縛り好きなM系ゲーマーだけでしょう。
同じ効果でもより低コストのカードが使われるのは、それだけでテンポアドバンテージが取れるからです。「テンポをとる」というフレーズは割とよく使いますが、その実質は行動の手数の多少だったり、あるいはコストパフォーマンスだったりします。カードアドバンテージよりも実体も益体がつかみづらいものですが、環境のスピードを定義するだけでなくデッキの得意分野とそれを実現する手段を説明してくれる考え方です。
どんなフォーマットであれ、テンポとカードアドバンテージは環境を定義する重要な要因になります。そしてカードアドバンテージに関して言えば、コストさえつぎ込めば獲得可能なものなので、そのコストでどのようなことができるかを示すテンポの方がより強く環境を定義していると言えるかもしれません。どの環境にもテンポを優先した結果、カードアドバンテージをほとんど取ることができないアグロデッキがメタゲーム上に現れ、時にTier1をかっさらうことがあるのでこれは想像しやすいでしょう。
そしてどのようなフォーマットにもテンポを生成するマナ域とアドバンテージを生成するマナ域には境界線が引かれています。ある一定以下のマナコストによって環境のスピード面での脅威とそれへの対処法が示され、それ以上のマナコストのカードにはカードアドバンテージやゲームの中での決定力が求められます。このボーダーは上の環境ほど高く、下の環境ほど低く設定されています。また1〜2マナ域のウィニークリーチャーやマナクリーチャーはどの環境でもそれなりに充実しているため、それらプラス向きのテンポを抑制できる妨害系のテンポカードの充実度が各フォーマットのボーダーを設定する尺度になります。
例えばタップインの土地が多く、低マナ域に万能除去が少ない現在のスタンダードであれば、3マナ以下がテンポを形成するマナ域、4マナ以上がアドバンテージを生成するマナ域だといえるでしょう。
一歩進んでモダンでは1マナ域に《稲妻》や《流刑への道》が存在し、2マナ域の優秀なカウンターである《差し戻し》や《マナ漏出》があります。このため、3マナ以上のカードには単純な1対1交換ではなく何らかの形でアドバンテージを生成できる要素が求められます。
《稲妻》、《剣を鋤に》のようなクリーチャー除去に加えて、ピッチカウンター、《不毛の大地》などが存在するレガシーではこのボーダーはさらに引き下げられています。レガシーの環境下では、0〜1マナのカードがテンポを規定し、2マナ以上のカードはアドバンテージを生み出します。個別の具体的なカードについては次節に譲ります。
そして構築フォーマットの最奥であるヴィンテージではテンポとアドバンテージの境界線の法則はもはや当てはまらなくなります。5種類のモックスと《Black Lotus》が存在し、マナは1ターンに1つずつしか増えないというマジックの大原則を誰も気にしない環境下ではテンポとアドバンテージの関係は他のフォーマット以上に曖昧であり、1周り回って高マナ域のカードで武装しない方が馬鹿を見ます。右も左も誰もが時間系スタンドの使い手なのが、ヴィンテージ環境です。(やったことないけど)
□レガシーのテンポ
レガシーに話を戻しましょう。先ほども書いた通り、レガシーでは0〜1マナのカードがテンポを作り、2マナ以上のカードでアドバンテージが生成されます。例外も少なくありませんが、1対1交換(時には自分が損の2対1交換)に限れば大概の脅威は1マナ以下で対処できるのがこの環境の特徴です。代表的なカードとしては《剣を鋤に》、《思考囲い》、《自然の要求》、《Force of Will》をあげることができます。
対して環境のテンポを加速方向に進めるカードも数多くあります。先に挙げた妨害・抑制系のカード群が大なり小なりのデメリットを持ちながらも採用される理由は、加速系のカードに対して効率的に対処することができるからです。環境のスピードを加速させるカードと抑制するカード、紹介する順番が前後しているように感じられるかもしれませんが、テンポという言葉は単純なスピードではなく、手数の保証やコストパフォーマンスを含めた考え方なので個人的にはこの順番がしっくりしています。加速方向のカードは大きく分けて《秘密を掘り下げる者》、《野生のナカティル》などのクロック、《水蓮の花びら》、《ゴブリンの従僕》、《霊気の薬瓶》、《死儀礼のシャーマン》など擬似的なものも含めたマナ加速に分けることができます。
最後に手札の質を向上させるためのカードがテンポの第三の系として想定できます。この系には《渦巻く知識》という環境を代表するカードをはじめ、《思案》や《師範の占い独楽》などゲームを中長期的に設計できるカードが含まれます。先に紹介した妨害系、加速系が盤面に影響を与える道具だとしたら、これらのカードは道具を集め、実際にどのように使うかの指針を立てるため青写真に見立てることができます。実際の盤面に影響力が少ないため一見重要度が低くみえますが、これらの役割を1マナのカードに託せることは特に手数の問題を考えるときに大きな要素です。
現行のスタンダードで近い役割を持つカードが3マナ以上のカードアドバンテージを取れるカードに割り振られていることを考えれば問題の本質が捕らえやすいかもしれません。
1マナ以下のカードで大抵のことができるのがレガシーの特徴ですが、逆に言えば2マナ以上のカードは今まで紹介してきたカードよりも大きな影響をゲームに与えることができます。プレイする際の隙も大きくなりますが、ゲームに決定的な影響を与えることができるのは多くの場合は1マナ以下ではなく2マナ以上のカードです。2マナ以上のカードが持つ役割は今度話すとして、ここからは1マナ以下のテンポを形作るカードを
・加速系
・抑制系
・調整系
の3つに分けて個々のカードについて考えてみましょう。
□加速方向のテンポ
・秘密を掘り下げる者
環境を代表する1マナクロック。デッキデザインに対する要請は大きいが、後で紹介する調整系のカードがあれば簡単に変身できる。
2t目からクロックを刻むパワー3がゲームに与える影響は単体では実はそこまで大きくない。なにせそれだけならば対戦相手のライフを削りきるのに7ターンかかってしまうから。問題なのは、3/2のフライヤーが攻撃に参加する段階でそれのコントローラーが2マナを相手への妨害や追加のクロックの調達に自由に配分できること。
・野生のナカティル
今となってはあまり見ることもなくなってしまったが、1t目に登場する3/3であり、採用されるデッキの特性上《秘密を掘り下げる者》と違って浮いた2マナは追加のクロックに割り振られることがほとんどなので喉元に突き立てられたときのプレッシャーはより大きい。
・ゴブリンの従僕
攻撃が通ると3〜5マナ分の加速というバグが発生する。ゴブリンのシナジーを考えると加速分はさらに大きい。ゲームの初速としてはコンボデッキに比類する加速であり、デッキを運用する上での大きなアドバンテージを秘めたカード。対処自体は簡単だけど対処しそこねると厄介を通り越してゲームが終了することも少なくない。
・死儀礼のシャーマン
《ラノワールのエルフ》から続くマナエルフの最終兵器。マナソースとしての機能を墓地に依存する代わりにライフゲイン・ルーズ能力が付与されている。フェッチランドや《不毛の大地》のお陰でデメリットが機能することはほとんどなく、追加の能力を得たことによってマナエルフの弱点だった中後半に引いたときの残念感が払拭された。初手にあればもちろん強く、中盤でトップしてもダメージレースに貢献する壊れエルフ。地味に墓地対策にもなるあたりイラっとします(個人的な所感)。
昔からの格言「1t目の鳥は焼け」が示すのは、最序盤に使えるマナの大小から生み出される展開力の差は中盤以降に繰り出すパワーカード単体では覆せない、的なもの。レガシーでも2t目の3マナは1マナ(テンポ)と2マナ(カードアドバンテージ)の合わせ技として機能する。かといって後半に引いてきて嬉しくないカードは入れたくないのが人情だというのにこのエルフはそこら辺の機微がわかってない。(この後小一時間ほど愚痴が続く)
極端にいえば、色と想定するキルターン数の2点をクリアできるならとりあえず4枚入れといていいカードです。
・霊気の薬瓶
テンポを貯金するアーティファクト。出した直後の1〜2t(X=0or1)はほとんどゲームに影響を与えないが、3t目(X≧2)以降は大きな利子をペイバックしてくれる。利子の具体的な内容はマナ補助・カウンター耐性・インスタントタイミングでの盤面干渉の3つ。特に1つ目のマナ補助はテンポ的に大きな意味を持つ。仮に1t目に出した場合と出さなかった場合を比べると、ターンが進むにつれて等差級数的にマナ格差が広がる。手札にクリーチャーがいないと意味がない能力なので、マナ格差の広がりが4〜5t目を頂点に薄れていくが、そこまでいけば残りの2つのメリットが大きな強みになる。
弱点としては中盤にトップしたときの残念感と初動1〜2t目にテンポロスが発生すること。テンポカードながら即効性はなく、ゲーム進行のなかでテンポに貢献する変わり種。
・即時的なマナソース
《暗黒の儀式》、《水蓮の花びら》、《ライオンの瞳のダイアモンド》、《Elvish Spirit Guide》、《類人猿の指導霊》、《金属モックス》。
レガシーでの主な活躍の場はコンボのお供。いずれの場合もカードアドバンテージを犠牲にしたマナ加速なので、それに見合うだけの行動がともなわない限り採用されない。通常の意味でのカードアドバンテージの獲得を放棄し、ゲームの勝利というより大きなアドバンテージを取りにいくデッキでこそ採用が考えられるカード群。
つづく
□フォーマット毎のテンポ
レガシー環境では一部の禁止カードを除く全てのマジックのカードが使えます。その数1万種以上。でも実際に使われているカードはごく一部です。数え上げたことはないけど、主要なものを集めても300枚もないんじゃないかと思います。これは多くのプレイヤーによってカードの役割が整理され、取捨選択の研究が続けられたことによる賜物です。その比較の際に重要な基準となるものの1つにマナコストがあります。《野生のナカティル》がいるのに《訓練されたアーモドン》を使ったり、《稲妻》があるのに《稲妻の一撃》を使ったりするのは余程の縛り好きなM系ゲーマーだけでしょう。
同じ効果でもより低コストのカードが使われるのは、それだけでテンポアドバンテージが取れるからです。「テンポをとる」というフレーズは割とよく使いますが、その実質は行動の手数の多少だったり、あるいはコストパフォーマンスだったりします。カードアドバンテージよりも実体も益体がつかみづらいものですが、環境のスピードを定義するだけでなくデッキの得意分野とそれを実現する手段を説明してくれる考え方です。
どんなフォーマットであれ、テンポとカードアドバンテージは環境を定義する重要な要因になります。そしてカードアドバンテージに関して言えば、コストさえつぎ込めば獲得可能なものなので、そのコストでどのようなことができるかを示すテンポの方がより強く環境を定義していると言えるかもしれません。どの環境にもテンポを優先した結果、カードアドバンテージをほとんど取ることができないアグロデッキがメタゲーム上に現れ、時にTier1をかっさらうことがあるのでこれは想像しやすいでしょう。
そしてどのようなフォーマットにもテンポを生成するマナ域とアドバンテージを生成するマナ域には境界線が引かれています。ある一定以下のマナコストによって環境のスピード面での脅威とそれへの対処法が示され、それ以上のマナコストのカードにはカードアドバンテージやゲームの中での決定力が求められます。このボーダーは上の環境ほど高く、下の環境ほど低く設定されています。また1〜2マナ域のウィニークリーチャーやマナクリーチャーはどの環境でもそれなりに充実しているため、それらプラス向きのテンポを抑制できる妨害系のテンポカードの充実度が各フォーマットのボーダーを設定する尺度になります。
例えばタップインの土地が多く、低マナ域に万能除去が少ない現在のスタンダードであれば、3マナ以下がテンポを形成するマナ域、4マナ以上がアドバンテージを生成するマナ域だといえるでしょう。
一歩進んでモダンでは1マナ域に《稲妻》や《流刑への道》が存在し、2マナ域の優秀なカウンターである《差し戻し》や《マナ漏出》があります。このため、3マナ以上のカードには単純な1対1交換ではなく何らかの形でアドバンテージを生成できる要素が求められます。
《稲妻》、《剣を鋤に》のようなクリーチャー除去に加えて、ピッチカウンター、《不毛の大地》などが存在するレガシーではこのボーダーはさらに引き下げられています。レガシーの環境下では、0〜1マナのカードがテンポを規定し、2マナ以上のカードはアドバンテージを生み出します。個別の具体的なカードについては次節に譲ります。
そして構築フォーマットの最奥であるヴィンテージではテンポとアドバンテージの境界線の法則はもはや当てはまらなくなります。5種類のモックスと《Black Lotus》が存在し、マナは1ターンに1つずつしか増えないというマジックの大原則を誰も気にしない環境下ではテンポとアドバンテージの関係は他のフォーマット以上に曖昧であり、1周り回って高マナ域のカードで武装しない方が馬鹿を見ます。右も左も誰もが時間系スタンドの使い手なのが、ヴィンテージ環境です。(やったことないけど)
□レガシーのテンポ
レガシーに話を戻しましょう。先ほども書いた通り、レガシーでは0〜1マナのカードがテンポを作り、2マナ以上のカードでアドバンテージが生成されます。例外も少なくありませんが、1対1交換(時には自分が損の2対1交換)に限れば大概の脅威は1マナ以下で対処できるのがこの環境の特徴です。代表的なカードとしては《剣を鋤に》、《思考囲い》、《自然の要求》、《Force of Will》をあげることができます。
対して環境のテンポを加速方向に進めるカードも数多くあります。先に挙げた妨害・抑制系のカード群が大なり小なりのデメリットを持ちながらも採用される理由は、加速系のカードに対して効率的に対処することができるからです。環境のスピードを加速させるカードと抑制するカード、紹介する順番が前後しているように感じられるかもしれませんが、テンポという言葉は単純なスピードではなく、手数の保証やコストパフォーマンスを含めた考え方なので個人的にはこの順番がしっくりしています。加速方向のカードは大きく分けて《秘密を掘り下げる者》、《野生のナカティル》などのクロック、《水蓮の花びら》、《ゴブリンの従僕》、《霊気の薬瓶》、《死儀礼のシャーマン》など擬似的なものも含めたマナ加速に分けることができます。
最後に手札の質を向上させるためのカードがテンポの第三の系として想定できます。この系には《渦巻く知識》という環境を代表するカードをはじめ、《思案》や《師範の占い独楽》などゲームを中長期的に設計できるカードが含まれます。先に紹介した妨害系、加速系が盤面に影響を与える道具だとしたら、これらのカードは道具を集め、実際にどのように使うかの指針を立てるため青写真に見立てることができます。実際の盤面に影響力が少ないため一見重要度が低くみえますが、これらの役割を1マナのカードに託せることは特に手数の問題を考えるときに大きな要素です。
現行のスタンダードで近い役割を持つカードが3マナ以上のカードアドバンテージを取れるカードに割り振られていることを考えれば問題の本質が捕らえやすいかもしれません。
1マナ以下のカードで大抵のことができるのがレガシーの特徴ですが、逆に言えば2マナ以上のカードは今まで紹介してきたカードよりも大きな影響をゲームに与えることができます。プレイする際の隙も大きくなりますが、ゲームに決定的な影響を与えることができるのは多くの場合は1マナ以下ではなく2マナ以上のカードです。2マナ以上のカードが持つ役割は今度話すとして、ここからは1マナ以下のテンポを形作るカードを
・加速系
・抑制系
・調整系
の3つに分けて個々のカードについて考えてみましょう。
□加速方向のテンポ
・秘密を掘り下げる者
環境を代表する1マナクロック。デッキデザインに対する要請は大きいが、後で紹介する調整系のカードがあれば簡単に変身できる。
2t目からクロックを刻むパワー3がゲームに与える影響は単体では実はそこまで大きくない。なにせそれだけならば対戦相手のライフを削りきるのに7ターンかかってしまうから。問題なのは、3/2のフライヤーが攻撃に参加する段階でそれのコントローラーが2マナを相手への妨害や追加のクロックの調達に自由に配分できること。
・野生のナカティル
今となってはあまり見ることもなくなってしまったが、1t目に登場する3/3であり、採用されるデッキの特性上《秘密を掘り下げる者》と違って浮いた2マナは追加のクロックに割り振られることがほとんどなので喉元に突き立てられたときのプレッシャーはより大きい。
・ゴブリンの従僕
攻撃が通ると3〜5マナ分の加速というバグが発生する。ゴブリンのシナジーを考えると加速分はさらに大きい。ゲームの初速としてはコンボデッキに比類する加速であり、デッキを運用する上での大きなアドバンテージを秘めたカード。対処自体は簡単だけど対処しそこねると厄介を通り越してゲームが終了することも少なくない。
・死儀礼のシャーマン
《ラノワールのエルフ》から続くマナエルフの最終兵器。マナソースとしての機能を墓地に依存する代わりにライフゲイン・ルーズ能力が付与されている。フェッチランドや《不毛の大地》のお陰でデメリットが機能することはほとんどなく、追加の能力を得たことによってマナエルフの弱点だった中後半に引いたときの残念感が払拭された。初手にあればもちろん強く、中盤でトップしてもダメージレースに貢献する壊れエルフ。地味に墓地対策にもなるあたりイラっとします(個人的な所感)。
昔からの格言「1t目の鳥は焼け」が示すのは、最序盤に使えるマナの大小から生み出される展開力の差は中盤以降に繰り出すパワーカード単体では覆せない、的なもの。レガシーでも2t目の3マナは1マナ(テンポ)と2マナ(カードアドバンテージ)の合わせ技として機能する。かといって後半に引いてきて嬉しくないカードは入れたくないのが人情だというのにこのエルフはそこら辺の機微がわかってない。(この後小一時間ほど愚痴が続く)
極端にいえば、色と想定するキルターン数の2点をクリアできるならとりあえず4枚入れといていいカードです。
・霊気の薬瓶
テンポを貯金するアーティファクト。出した直後の1〜2t(X=0or1)はほとんどゲームに影響を与えないが、3t目(X≧2)以降は大きな利子をペイバックしてくれる。利子の具体的な内容はマナ補助・カウンター耐性・インスタントタイミングでの盤面干渉の3つ。特に1つ目のマナ補助はテンポ的に大きな意味を持つ。仮に1t目に出した場合と出さなかった場合を比べると、ターンが進むにつれて等差級数的にマナ格差が広がる。手札にクリーチャーがいないと意味がない能力なので、マナ格差の広がりが4〜5t目を頂点に薄れていくが、そこまでいけば残りの2つのメリットが大きな強みになる。
弱点としては中盤にトップしたときの残念感と初動1〜2t目にテンポロスが発生すること。テンポカードながら即効性はなく、ゲーム進行のなかでテンポに貢献する変わり種。
・即時的なマナソース
《暗黒の儀式》、《水蓮の花びら》、《ライオンの瞳のダイアモンド》、《Elvish Spirit Guide》、《類人猿の指導霊》、《金属モックス》。
レガシーでの主な活躍の場はコンボのお供。いずれの場合もカードアドバンテージを犠牲にしたマナ加速なので、それに見合うだけの行動がともなわない限り採用されない。通常の意味でのカードアドバンテージの獲得を放棄し、ゲームの勝利というより大きなアドバンテージを取りにいくデッキでこそ採用が考えられるカード群。
つづく
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