レガシーで禁止になるカード
2013年3月22日 メモ・雑談 コメント (5)前の日記のつながりで書いてみた(挨拶)
今禁止になっているカードからレガシーで禁止になるだけのカードパワーを逆算してみるテスト。2013現在のレガシーの禁止カードについてはこちらで確認を↓
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AC%E3%82%B7%E3%83%BC
このリストを見る限り、次の5つの条件のいずれかを低いリスクでクリアすることがレガシーの禁止カードに求められる条件のように思われる。
1:ゲームの進行に支障をきたす
2:ゲームを過剰に加速する
3:極端に高い汎用性を持つ
4:高い汎用性を持つサーチカードである
5:過剰なアドバンテージをもたらす
これらの条件を項目ごとに見ていくと、
1:ゲームの進行に支障をきたす
MTGというゲームの大前提をひっくり返したり、トーナメントの運営に支障をきたすカード群。例えばアンティ関連のカードはマジックをリアルなギャンブルにしてしまうし、《Falling Star》や《Chaos Orb》はカードが(物理的に)舞う。「時間かけすぎ!」で禁止されたカードは《Shahrazad》だけだが、環境を変えると《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》もエクステンデッドでは同様の理由で禁止されている。なおこの項目に関してはリスクうんぬんとは別次元の模様。
ちなみに《Shahrazad》並にジャッジ(を)キルなカードに《謙虚/Humility》なんていうのもある。月とミシュラとこれが並んでる状況を整理できる人はジャッジになるべきである。
2:ゲームを過剰に加速する
例)
閃光/Flash
Mana Crypt
トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
コンボデッキ向けのマナ加速系カード群。ウルザブロック期にMOMAが引き起こした「コインフリップまでが勝負」みたいな状況を再現させないために禁止されているカテゴリ。Moxenシリーズや《Mana Crypt》みたいな使いやすいマナ加速はもちろん、《閃光/Flash》や《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》のように特定のデッキを異常なまでに加速するカードも禁止されてしかるべきである。
このカテゴリで将来禁止になるかもね、と思うカードは《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》や《暗黒の儀式/Dark Ritual》なんかがあるけど、前者は汎用性の低さとリスク故に、後者はカードパワーの(相対的な)低さ故に大丈夫だと思います。
3:極端に高い汎用性を持つ
例)
Black Lotus
Ancestral Recall
精神的つまづき/Mind Misstep
言葉通り高い汎用性を持つが故にほぼ全てのデッキに入りそうなカード群。《Black Lotus》なんかは説明するのもばかばかしい。他には1マナ3ドローの《Ancestral Recall》やマナすら必要のないドローソースである《Library of Alexandria》、最近のカードでは《精神的つまづき/Mind Misstep》なんかもこのカテゴリ。《精神的つまづき/Mind Misstep》が使えた頃を思い返すまでもなく、デッキタイプによらずほぼ全てのデッキに投入可能なカードの存在は、容易に歪な環境を作り上げてしまう。
このカテゴリで禁止になりかねないカードとしては、前の日記でも書いたけど《渦巻く知識/Brainstorm》。青いデッキの前提であり、時にはデッキに青を足す理由にもなるところを見ると怪しく思ってしまうが、カード単体だとそこまで強くないので禁止にはならないと思います、ハイ。そう見ると《渦巻く知識/Brainstorm》よりもカードパワーと色拘束の緩さが売りの《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》の方が危ないのかもしれない。どちらも低リスクでデッキ全体の潤滑油となるカードだ。といっても禁止されているカードと並べるとなんかホッとする辺り、禁止にはほど遠そうである。
4:高い汎用性を持つサーチカードである
例)
Demonic Tutor
神秘の教示者/Mystic Tutor
吸血の教示者/Vampiric Tutor
サーチカードは「5枚目以降の〇〇」として運用されてしまいがちで、特に低マナのカードほどその性格が著しい。サーチカードの「他のカードに変わる」という性質はそのまま高い汎用性を指し示すものであり、安価でサーチ先が広い《吸血の教示者/Vampiric Tutor》や《神秘の教示者/Mistic Tutor》は特に危険性が高いと判断されている。
このカテゴリで禁止を免れているカードとしてはジャッジメントの各種願いやハイタイドで使われている《商人の巻物/Marchant Scroll 》、緑系のデッキで使われる《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》が挙げられる。これらはいずれも2マナ以上であったりサーチできるカードに強い限定がかけられ、汎用性が相対的に下げられている。
5:過剰なアドバンテージをもたらす
例)
天秤/Balance
ゴブリン徴募兵/Goblin Recruitor
Time Vault
過剰なアドバンテージをもたらすとしか説明できないカード群。各種アドバンテージを他のカードに変換することができる汎用性だと考えると禁止される理由もわかりやすい。このカテゴリの中で直感的に理解しやすいのは《Ancestral Recall》なんだけど、それ以外にも特定の状況下で過剰なアドバンテージをもたらすカードもしばしば禁止される。コントロールデッキの《天秤/Balance》、ゴブリンの《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruitor》のようにデッキの目的がそのスペルを通すことに変わってしまうほどのカードや、そのまま勝利条件ともいえる《Time Vault》なんかは特に顕著なカードだといえる。
リーガルのカードで特定の条件下での爆アドカード、というと《壌土からの生命/Life from the Loam》や《グリセルブランド/Griselbland》、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》なんかが想起されるけど、禁止されているカードに比べると、アドバンテージを作り出すための条件が厳しいことがわかる。といっても《グリセルブランド/Griselbland》に関しては禁止の条件に片足突っ込んでいる気もするが。
以上のように禁止されるほどのカードというのは上の5つの条件のいずれかに当てはまるものが多いんだけど、中にはこれらの諸条件のうち2つ以上を同時にクリアしてしまっている猛者もいる。《Black Lotus》や《Ancestral Recall》のような古い時代のオーバーパワーなカードはシンプルに複数の条件をクリアしてしまっているが、すぐにはわかりにくいカードでは《修繕/Tinker》や《適者生存/Survival of the Fittest》なんかも非常にバランスが悪いカード。
《修繕/Tinker》は「少し重い」サーチカードとしてデザインされたはずなのに、5マナ以上の重くて強力なアーティファクトをサーチすることで非凡なレベルでゲームを加速させてしまう。つまり「2:ゲームを過剰に加速する」+「4:高い汎用性を持つサーチカードである」という合わせ技での禁止である。
《適者生存/Survival of the Fittest》の場合はデメリットとしてデザインされたはずのディスカード能力を悪用(?)することで墓地というアドバンテージリソースを肥やしつつ、ゲームを加速するという離れ業を成し遂げ、「2:ゲームを過剰に加速する」+「4:高い汎用性を持つサーチカードである」+「5:過剰なアドバンテージをもたらす」という3項目を満たしての堂々の禁止カード入りだ。
これらの修正カードである《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》や《作り直し/Reshape》は本家の異常な加速力をそいで「面白いけどいまいちカードパワーが足りない」カードとしてトーナメントリーガルの地位を確保している。
コンボ向けのカードとしては《ヨーグモスの意思/Yawgmoth’s Will》や《精神の願望/Mind’s Desire》辺りも条件破りの常習犯だ。どちらのカードも一見すると3マナ以上の重いカードに見えるが、各種マナ加速でキャストしたが最後、すぐに新しいマナ加速とドローソースを呼び込み、簡単にゲームエンドへと持ってかれてしまう。つまり「2:ゲームを過剰に加速する」+「5:過剰なアドバンテージをもたらす」という二重の罪を犯している。真っ先に禁止しなくてはならないカテゴリのカードと言えるかもしれない。
書いていくうちに思ったんだけど、5つの条件に抵触しないようにしつつレガシーでも通用するカードパワーを確保したデザインを作るのは非常に難しそう。最近のカードがスペルよりもクリーチャーの方に重点が置かれている理由もそこら辺にあったりするのかな。
今禁止になっているカードからレガシーで禁止になるだけのカードパワーを逆算してみるテスト。2013現在のレガシーの禁止カードについてはこちらで確認を↓
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AC%E3%82%B7%E3%83%BC
このリストを見る限り、次の5つの条件のいずれかを低いリスクでクリアすることがレガシーの禁止カードに求められる条件のように思われる。
1:ゲームの進行に支障をきたす
2:ゲームを過剰に加速する
3:極端に高い汎用性を持つ
4:高い汎用性を持つサーチカードである
5:過剰なアドバンテージをもたらす
これらの条件を項目ごとに見ていくと、
1:ゲームの進行に支障をきたす
MTGというゲームの大前提をひっくり返したり、トーナメントの運営に支障をきたすカード群。例えばアンティ関連のカードはマジックをリアルなギャンブルにしてしまうし、《Falling Star》や《Chaos Orb》はカードが(物理的に)舞う。「時間かけすぎ!」で禁止されたカードは《Shahrazad》だけだが、環境を変えると《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》もエクステンデッドでは同様の理由で禁止されている。なおこの項目に関してはリスクうんぬんとは別次元の模様。
ちなみに《Shahrazad》並にジャッジ(を)キルなカードに《謙虚/Humility》なんていうのもある。月とミシュラとこれが並んでる状況を整理できる人はジャッジになるべきである。
2:ゲームを過剰に加速する
例)
閃光/Flash
Mana Crypt
トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
コンボデッキ向けのマナ加速系カード群。ウルザブロック期にMOMAが引き起こした「コインフリップまでが勝負」みたいな状況を再現させないために禁止されているカテゴリ。Moxenシリーズや《Mana Crypt》みたいな使いやすいマナ加速はもちろん、《閃光/Flash》や《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》のように特定のデッキを異常なまでに加速するカードも禁止されてしかるべきである。
このカテゴリで将来禁止になるかもね、と思うカードは《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》や《暗黒の儀式/Dark Ritual》なんかがあるけど、前者は汎用性の低さとリスク故に、後者はカードパワーの(相対的な)低さ故に大丈夫だと思います。
3:極端に高い汎用性を持つ
例)
Black Lotus
Ancestral Recall
精神的つまづき/Mind Misstep
言葉通り高い汎用性を持つが故にほぼ全てのデッキに入りそうなカード群。《Black Lotus》なんかは説明するのもばかばかしい。他には1マナ3ドローの《Ancestral Recall》やマナすら必要のないドローソースである《Library of Alexandria》、最近のカードでは《精神的つまづき/Mind Misstep》なんかもこのカテゴリ。《精神的つまづき/Mind Misstep》が使えた頃を思い返すまでもなく、デッキタイプによらずほぼ全てのデッキに投入可能なカードの存在は、容易に歪な環境を作り上げてしまう。
このカテゴリで禁止になりかねないカードとしては、前の日記でも書いたけど《渦巻く知識/Brainstorm》。青いデッキの前提であり、時にはデッキに青を足す理由にもなるところを見ると怪しく思ってしまうが、カード単体だとそこまで強くないので禁止にはならないと思います、ハイ。そう見ると《渦巻く知識/Brainstorm》よりもカードパワーと色拘束の緩さが売りの《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》の方が危ないのかもしれない。どちらも低リスクでデッキ全体の潤滑油となるカードだ。といっても禁止されているカードと並べるとなんかホッとする辺り、禁止にはほど遠そうである。
4:高い汎用性を持つサーチカードである
例)
Demonic Tutor
神秘の教示者/Mystic Tutor
吸血の教示者/Vampiric Tutor
サーチカードは「5枚目以降の〇〇」として運用されてしまいがちで、特に低マナのカードほどその性格が著しい。サーチカードの「他のカードに変わる」という性質はそのまま高い汎用性を指し示すものであり、安価でサーチ先が広い《吸血の教示者/Vampiric Tutor》や《神秘の教示者/Mistic Tutor》は特に危険性が高いと判断されている。
このカテゴリで禁止を免れているカードとしてはジャッジメントの各種願いやハイタイドで使われている《商人の巻物/Marchant Scroll 》、緑系のデッキで使われる《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》が挙げられる。これらはいずれも2マナ以上であったりサーチできるカードに強い限定がかけられ、汎用性が相対的に下げられている。
5:過剰なアドバンテージをもたらす
例)
天秤/Balance
ゴブリン徴募兵/Goblin Recruitor
Time Vault
過剰なアドバンテージをもたらすとしか説明できないカード群。各種アドバンテージを他のカードに変換することができる汎用性だと考えると禁止される理由もわかりやすい。このカテゴリの中で直感的に理解しやすいのは《Ancestral Recall》なんだけど、それ以外にも特定の状況下で過剰なアドバンテージをもたらすカードもしばしば禁止される。コントロールデッキの《天秤/Balance》、ゴブリンの《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruitor》のようにデッキの目的がそのスペルを通すことに変わってしまうほどのカードや、そのまま勝利条件ともいえる《Time Vault》なんかは特に顕著なカードだといえる。
リーガルのカードで特定の条件下での爆アドカード、というと《壌土からの生命/Life from the Loam》や《グリセルブランド/Griselbland》、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》なんかが想起されるけど、禁止されているカードに比べると、アドバンテージを作り出すための条件が厳しいことがわかる。といっても《グリセルブランド/Griselbland》に関しては禁止の条件に片足突っ込んでいる気もするが。
以上のように禁止されるほどのカードというのは上の5つの条件のいずれかに当てはまるものが多いんだけど、中にはこれらの諸条件のうち2つ以上を同時にクリアしてしまっている猛者もいる。《Black Lotus》や《Ancestral Recall》のような古い時代のオーバーパワーなカードはシンプルに複数の条件をクリアしてしまっているが、すぐにはわかりにくいカードでは《修繕/Tinker》や《適者生存/Survival of the Fittest》なんかも非常にバランスが悪いカード。
《修繕/Tinker》は「少し重い」サーチカードとしてデザインされたはずなのに、5マナ以上の重くて強力なアーティファクトをサーチすることで非凡なレベルでゲームを加速させてしまう。つまり「2:ゲームを過剰に加速する」+「4:高い汎用性を持つサーチカードである」という合わせ技での禁止である。
《適者生存/Survival of the Fittest》の場合はデメリットとしてデザインされたはずのディスカード能力を悪用(?)することで墓地というアドバンテージリソースを肥やしつつ、ゲームを加速するという離れ業を成し遂げ、「2:ゲームを過剰に加速する」+「4:高い汎用性を持つサーチカードである」+「5:過剰なアドバンテージをもたらす」という3項目を満たしての堂々の禁止カード入りだ。
これらの修正カードである《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》や《作り直し/Reshape》は本家の異常な加速力をそいで「面白いけどいまいちカードパワーが足りない」カードとしてトーナメントリーガルの地位を確保している。
コンボ向けのカードとしては《ヨーグモスの意思/Yawgmoth’s Will》や《精神の願望/Mind’s Desire》辺りも条件破りの常習犯だ。どちらのカードも一見すると3マナ以上の重いカードに見えるが、各種マナ加速でキャストしたが最後、すぐに新しいマナ加速とドローソースを呼び込み、簡単にゲームエンドへと持ってかれてしまう。つまり「2:ゲームを過剰に加速する」+「5:過剰なアドバンテージをもたらす」という二重の罪を犯している。真っ先に禁止しなくてはならないカテゴリのカードと言えるかもしれない。
書いていくうちに思ったんだけど、5つの条件に抵触しないようにしつつレガシーでも通用するカードパワーを確保したデザインを作るのは非常に難しそう。最近のカードがスペルよりもクリーチャーの方に重点が置かれている理由もそこら辺にあったりするのかな。
コメント
よろしくお願いします.
はじめまして!
僕も禁止制限更新の時期になると何となくそわそわしてしまいますww
>アッツーさん
スパイ2種に関してはデッキ構築に極端な制限を加えなくてはいけないリスクがありますが、パストに関してはかなりパワーがありますよね。それでもヨグウィルの方が壊れてるように見えるのが不思議ですw
死儀礼は便利なことは便利だけど、ゲームに与える影響がそこまで大きくないという判断なんでしょうか?難しいとこです
便利すぎますからねえ…。ある程度島使っているなら入れる考慮ができますから。マナ加速みたいな動きもできますし。
ですよね〜w
あったら、何かと捗りそうですw